2003年全曲集

島津亜矢( 島津亞矢 ) 2003年全曲集歌詞
1.夜桜挽歌


2.波

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

寄せては返す 波また波を
あえぎただよう 木の葉舟
それが私の 人生ならば
一期一会(いちごいちえ)の 出会いを求め
夢という名の 舟を漕ぐ

雄たけびあげて 逆巻く波に
呑まれ叩かれ はいあがりゃ
板子一枚(いたごいちまい) 天国・地獄
明日(あす)の行方は 知らないけれど
風に向かって 舟を漕ぐ

大波小波 上げては下ろす
波に身をもむ 女舟
乗ればゆさぶる 外(はず)せば嘲(わら)う
泣くなくさるな 希望の二文字
胸にかかげて 舟を漕ぐ


3.北海峡

作詞:中島光
作曲:原譲二

愛の渦潮 逆巻(さかま)く未練
海峡渡る 女の胸に
凍り付くよな しぶきが刺さる
捨てて来ました 悲しみは
遥か彼方に 見え隠れ
津軽の港 旅出(でた)ときに

今は引き潮 心も軋む
海峡越える 海鳥さえも
潮の流れに 戸惑うばかり
長い黒髪 切りました
もとへ戻れぬ 宿命(さだめ)なら
津軽の海を 何処までも

北へ走れば 波立つばかり
海峡染める 願い火遠く
釣瓶(つるべ)落としで 真冬の海へ
おんな片恋い ひとり旅
胸に花咲く 春はいつ
津軽の里へ 戻る日に


4.道南夫婦船

作詞:星野哲郎
作曲:新井利昌

親に貰った この血の中を
熱く流れる 命潮
元へ辿れば 父と母
いつも元気で いて欲しい
熱い祈りを 波に浮かべて
仰ぐ心の アヨイショ 駒ヶ岳

荒れる海辺に 縋って生きる
北の漁師は 波の花
群れる鴎も 仲間衆
こぼれ秋刀魚を 分けながら
地球岬を 右に眺めて
今日もあんたと アヨイショ 網を刺す

浜の女房と 呼ばれるからにゃ
雪も氷も 恐れぬが
浮気されたら わしの恥
二つ合わせて 一になる
愛の人生 海に咲かせる
夫婦船だよ アヨイショ ほまれ船


5.相生(あいおい)~ふたりの絆はほどけない~

作詞:たかたかし
作曲:水森英夫

おれに命を くれという
そんなあなたの 情けに泣ける
濡らすなら
あゝ濡れてゆく 相生しぐれ
傘は一つで いいですね
夢をかさねて あなたと生きる

結ぶふたりの この縁(きずな)
なんで切れましょ 解(ほど)けはしない
濡らすなら
あゝ濡れてゆく 相生しぐれ
拾う涙に くじけたら
あなた叱って この手を引いて

つよく生きるわ 生きてこそ
明日がふたりに しあわせ運ぶ
濡らすなら
あゝ濡れてゆく 相生しぐれ
泣く日笑う日 どこまでも
愛がみちづれ あなたと生きる


6.関の弥太っぺ

作詞:宮沢守夫
作曲:村沢良介

義理の重たさ 背にしょって
流れ道中 子連れ旅
一夜泊りの 草鞋をぬぐも
なにかのご縁
無理を承知で たのみます
どうか どうか どうかこの子の
親がわり

「手前‥呼び名は関の弥太っぺと申します おかみさん
理由は聞かずにこの子を預かっちゃもらえませんか
きっと迎えに参ります 喧嘩渡世のこの身では
幼な子を刃くぐりの巻き添えには出来ません
身勝手なお願いではござんすがよろしゅうお頼申します」

昇る朝日に 手を合わせ
沈む夕日に また祈る
無事でいるやら 辛くはないか
しあわせなのか
気にはしてたが 長の旅
やっと やっと やっと戻りの
甲州路

「早いもんだなァ‥あれから七年 逢ってむかし話をしたら
あの子に悲しい思いをさせるだけだ‥
云いたい事も聞きたい事も山ほどある
逢えば泣けて来てなにも云えないだろう
ただ一目だけ大きくなったお小夜を見たら
土産に買ったこのかんざしを置いて立ち去ろう
それでいゝ それでいゝ それだけでいゝんだ‥」

可愛いがられて 育てられ
嫁に行く日も 近いとか
どんな親でも 命をわけた
親なら子なら
せめても一度 逢いたかろう
関の 関の 関の弥太っぺ
男泣き


7.感謝状~母へのメッセージ~


8.都会の雀

作詞:吉岡治
作曲:杉本眞人

雀 雀 都会の雀
雀 雀 夜明けの雀

飾りまくった ガラスの街に
サイレンばかり 駆けぬける
呼ぶ名もなくて 倒れた道で
バカな涙が あふれて熱い
雀 雀 都会の雀
眠れないのか 寒風(さむかぜ)で
雀 雀 俺ンち来いよ
あったか西日の 裏窓に

夢のかたちも あいつのことも
生きてくうちに 脱け落ちた
そのうちケリは 必ずつける
バカな希(のぞ)みが からだに悪い
雀 雀 夜明けの雀
飛べる蒼空 あるのなら
雀 雀 俺ンち来いよ
朝日が弾ける 裏窓に

雀 雀 都会の雀
眠れないのか 寒風で
雀 雀 俺ンち来いよ
あったか西日の 裏窓に 裏窓に


9.海鳴りの詩

作詞:星野哲郎
作曲:船村徹

五体に刻んだ 赤銅色(しゃくどういろ)の
シワが男の 五線紙だ
明るい娘に 育てたことが
冥土の母ちゃんへ でかい土産だと
笑う親父(とうちゃん)の 髭から背中から
海鳴りの詩が 聞こえてくる
ヤンサエー ヤンサエー

酒断(さけだ)ちしてまで 口説いた女
死んだあとまで 恋女房
世間の女が カボチャに見えて
ヤモメを通したね 男盛りをよ
いばる親父(とうちゃん)の 胸から腕(かいな)から
海鳴りの詩が 聞こえてくる
ヤンサエー ヤンサエー

母親知らずに 嫁いだ娘
無事に女房を してるやら
初孫祝って 酒のむまでは
倒れちゃなるまいと 波に揺れながら
力む親父(とうちゃん)の 舟から帆綱から
海鳴りの詩が 聞こえてくる
ヤンサエー ヤンサエー ヤンサエー


10.愛染かつらをもう一度

作詞:星野哲郎
作曲:新井利昌

花と嵐の 青春を
涙と共に 生きるとき
父さんあなたの 主題歌だった
古い艶歌が わかります
いつかいっしょに 唄いましょうね
愛染かつらを もう一度

灯りさざめく 東京の
日暮れは夢の 吹き溜まり
父さん私は あなたの娘
負けはしないと 唇を
噛めば心に 聞こえてきます
愛染かつらの あの歌が

真実(まこと)つくした男道
破れたけれど 悔いはない
俺にはかわいい おまえがいると
酔えば口癖 お父さん
どうぞ元気で 唄ってほしい
愛染かつらを いつまでも


11.一本刀土俵入り

作詞:高月ことば
作曲:村沢良介

男度胸の 人生を
土俵ひとすじ 生きてゆく
おれは角力の 鬼になる
想い出すまい 故郷のことは
晴れて錦を 飾るまで

「姐さん…わしはあんたのような親切な人に出逢った
のは生まれて初めてだ 姐さんのご恩を忘れぬため
に わしが出世して幕内に入ろうが三役になろうが
横綱を張るまでは どんな事があっても
駒形茂兵エで押し通します」

利根の川風 身に沁みて
つくり笑いの 日を送る
繻子のだるまは 七転び
八起き浮世も 捨てばちなれど
花の情けは まだ枯れぬ

「お鳶さん…達者で何よりでござんした
十年前は一方ならねえ お世話になって… あの時
約束したように大手を振って姐さんの前に出られた
義理じゃござんせんが一目だけでも 無事な姿を見た
上で お礼の言葉を云いてえと恥をしのんで尋ねて
まいりやした… 姐さん…想い出しておくんなすっ
たか十年前の取手の宿のあびこやで くし かんざ
しに きんちゃくぐるみ恵んで貰った姐さんに
見ていただく これが駒形茂兵エの しがねえ姿の
しがねえ姿の…土俵入りでござんす」

化粧まわしは 夢の夢
今は素袷 三度笠
西に東に 渡り鳥
誰に見せよか 駒形茂兵エ
一本刀の 土俵入り


12.演歌桜

作詞:新本創子
作曲:三島大輔

生まれ火の国 あとにして
たどる炎の 歌の道
親のこころを 胸に抱き
越える苦労の 幾山河(いくやまかわ)よ
演歌一節 アンアアンアンアン きかせます

雨は降る降る 陣羽は濡れる
越すに越されぬ 田原坂

海は不知火 燃える波
夢をゆさぶる 阿蘇の山
花も嵐も くぐりぬけ
恋のつらさは この身の艶(つや)に
歌は真実(まこと)の アンアアンアンアン 亜矢節さ

肥後のもっこす ご贔屓(ひいき)に
声も千両の 晴れ舞台
人の情けを ふところに
音頭とる手に 桜も咲いて
演歌一筋 アンアアンアンアン たのみます


13.母ごころ宅配便

作詞:星野哲郎
作曲:聖川湧

風邪をひくなと 送ってくれた
綿入れ羽織が 泣かせるね
心づくしの 宅配便に
一枝(ひとえだ) 添えた 紅梅(こうばい)の
花は 花は 花は
わが子に賭ける 母の夢

蝶よ花よと 育ててくれた
苦労は涙の つづら折り
男女(おとこおんな)と 指さされても
化粧も せずに 働いた
愛を 愛を 愛を
夕陽に偲ぶ 母の恩

生まれ故郷を 忘れるなよと
ちりめん鰯(いわし)も 入れてある
磯の香りの 宅配便は
街より 一歩(ひとあし) 先にくる
春を 春を 春を
わが子に送る 母ごころ


14.お梶


15.憂き世春秋

作詞:新本創子
作曲:三島大輔

風が頬うつ 雨が泣く
あなたの背中に 隠れて越える
憂き世春秋 ふたり坂
いのち連れ添う しあわせに
賭けて悔いない 女です

いつかあなたの 胸に咲く
雪割り草だと 云われてみたい
憂き世春秋 ふたり坂
こころ寄せあい 寒い夜は
ともに飲みたい このお酒

苦労ひとつに 夢がある
笑顔をあなたと たやさずいたい
憂き世春秋 ふたり坂
花の咲く日へ 七曲がり
明日を信じて 生きてゆく


16.度胸船

作詞:星野哲郎
作曲:市川昭介

人を押しのけ 出世のできる
柄じゃないぜと あきらめて
北へきたんだ 千島の海に
眠る親父を ゆりおこし
唄う男の 度胸船

親父来たぞと 吹雪を呼べば
風がほめるぜ よくきたと
写真だけしか 知らないけれど
海を見せれば 勇み立つ
熱い血をひく 度胸船

ころぶ兄貴を 弟がかばう
沖は地獄だ 戦場だ
ホッケ大漁の 祈りをこめて
網に御神酒を ふりかけて
雪に放浪う 度胸船